今回はスーツや礼服を買う際の、永遠のテーマともいえる疑問について、書いていきたいと思います。
「既製スーツや礼服」と「オーダースーツやオーダー礼服」、どちらがトータル的に良いのでしょうか?
インターネット上で調べると、様々なお店のお店のブログ等で目にすることができるテーマですが、
当店しても紳士服製造メーカーの立場から話をしていきたいと思います。
今回はスーツや礼服を買う際の、永遠のテーマともいえる疑問について、書いていきたいと思います。
「既製スーツや礼服」と「オーダースーツやオーダー礼服」、どちらがトータル的に良いのでしょうか?
インターネット上で調べると、様々なお店のお店のブログ等で目にすることができるテーマですが、
当店しても紳士服製造メーカーの立場から話をしていきたいと思います。
既製服とは、紳士専門店の商品のように、すでに出来上がったスーツのことを指し、その中からご自分に適したサイズを購入いただくことになります。
既製服のメリットは以下の通りとなります。
〈メリット〉
・柄や素材のバリエーションが多い
やはりそこそこの柄数がないとお店の運営ができないため、豊富な柄・素材が特徴である。ただし端サイズなど一部のサイズは柄数が少ない場合もある
・低価格
10,000円前後くらいからスーツや礼服を手に入れることが可能
・多少であれば、体型変化による補正も可能
以外に知られていないのがこれ。元々補正ありきの既製服のため、ウエストやスラックスの丈など再補正が可能。
(※オーダーは、ぴったりの1着を仕立てるため、補正をする必要がないという前提で余分な縫い代が省かれていることが多い)
・実際の商品が手元にあるため、スーツを試着して色柄を確認することができる
これが既製服の最大のメリットかもしれません。
オーダーの場合、小さいな生地を見てスーツの柄を決めますが、実際に出来上がってみて着てみると違和感がある、なんてことは結構あります。
次に既製服のデメリットは以下の通りです。
〈デメリット〉
・サイズによっては、柄が少ない
特に3号などの小さいサイズと、E体などの大きなサイズは生産数自体が少ないため、柄も少なくなっている
・デザインが選べない
気に入った柄があっても、ゆったり型であったりしてシルエットが好みに合わないことがある
・着心地が悪かったり、場合によっては着れない場合がある
コラム参照・・・既製服(レンタル商品)が合わない体型の方の特徴
続いてはオーダーのメリットとデメリットをまとめていきます。
オーダーには「パターンオーダー」、「イージーオーダー」、「フルオーダー」の3種類ありますが、
今回はフルオーダーよりは安価でパターンオーダーよりはデザインの自由度が効くイージーオーダーとして仮定していきます。
イージーオーダーのメリットは以下の通りです。
・ご自分のお好みの柄を、お好みのスタイルやデザインで仕立てることができる
オーダーのメリットはこれに尽きます。デメリットもいくつかありますが、それ以上にピッタリな1着を着れる喜びは格別です。
「自分の肩は”なで肩”だから既製服を着ると変なシワができるんだよなー」なんて悩みはこれで解決できます。
イージーオーダーのデメリットは以下の通りです。
・既製服と比較して高額
例えば、同じ生地で既製服が50,000円くらいのスーツがある場合、イージーオーダーであれば、100,000円以上になる可能性が高いです。
既製服は大量に生地を買うから安く仕入れられますが、オーダーは着分(1着分の生地)の生地となるので、生地値が高くなります。
また同様に比較的暇な時期に大量に縫製するので抑えられている工賃も当然高くなりますので、その分価格に反映されることになります。
・小さな生地だけでスーツの柄を決めるので、出来上がりのイメージがわきづらい
例えば、「生地ではそんなにストライプは目立たなかったけど、スーツになると結構派手な柄だな・・・」などといった事例が少なくないです。
・出来上がったスーツが身体にしっくりこない
この問題も少なくないのですが、オーダーで採寸しても、採寸時に動いてしまったりして寸法がズレてしまうことがないことはありません。
出来上がりのスーツは95%くらいのグレードになることが多いです。
語弊がないように伝えておきますが、この95%は不良品ではありません。
かなりの精度のスーツが出来上がっていることになりますが、初見で100%のグレードをとなると、熟練の職人でも難しいと思います。
2回目のオーダースーツは99%のグレードを、3回目には99.9%のグレードという具合に、仕立て屋さんと共に作り上げいくイメージとなります。
・納期が長い
既製服であれば、裾上げの補正をしても、最短で当日受取可能ですが、オーダーは一般的には4週間前後、早くても2週間ほどは要することが多いです。
・再補正が出来ない場合が多い
スーツを仕立てた時と比較して体型が変化した際に、既製服は問題なく再補正が可能だが、オーダーは出来ないことが多い
既製服とオーダー(イージーオーダー)について、メリットとデメリットを交えながら説明してきましたが、
結局のところどっちがいいの?という点について、私の主観を交えながら説明していきたいと思います。
大切なことは、「自分が何を求めるか」ということになります。
何度もコラムに書いてきましたが、既製服のサイズは細かく設定されています。
それでも多くの方が、既製服を着用した場合どこかしらに不自然なシワが出る可能性があります。
それよりも、「この柄が好きだから」「このブランドが好きだから」「この着心地がいいな」など、ある種妥協が出来るようであれば、既製服はメリットがたくさんあります。
しかし「何かこのシワ気になるな」「どうしてもこの柄がほしい」と言ったようであれば、オーダーをオススメします。
ご自分が気に入った柄のスーツを仕立てて、それを着用して外出することは、まさにプライスレスです。
さぞかし気持ちの良いことだと思います。
「オーダーが悪い」や「既製服が悪い」ではなく、「ご自分が何を一番に考えているのか」が一番大切なことだと考えます。
いかがでしたでようか?
オーダーと既製服について、コラムを書かさせていただきました。
どちらにもメリット・デメリットがございますので、ご自分のライフスタイルなどに合わせてご検討いただけましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。