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スーツや礼服を新調する際、股下の長さは全部同じでいいの?

スーツや礼服を新調する際、股下の長さは全部同じでいいの?

スーツや礼服を買う際、必ず行う補正がスラックスの裾上げとなります。

最近では既に裾上げをした状態で販売されている商品も一部ありますが、ほとんどの商品は裾をカットすることになります。

まれにカットする際に、

「こんなにカットするってことは、オレって足短いんですか?」

なんて心配される方もいらっしゃいますが、ご安心ください。

上記のように既に裾上げされている商品以外のスーツ又は礼服を購入する際は、全ての方が裾上げを行います。

今回はこの裾上げ(股下寸法)について、コラムを書いていこうと思います。

 

※サイズについてはこちらのコラムをご覧ください。

礼服・スーツのサイズについて~表記の意味を徹底解説~

※裾のシングル・ダブルついてはこちらのコラムをご覧ください。

礼服やスーツの裾はシングル?ダブル?決まりはあるの?

股下と股上とは?

スラックスの上(ウエスト部分)から下(裾口)までの長さを総丈と呼びます。

また総丈は、股上+股下の合計の値となります。

 

股上とは、スラックスの下腹部を指します。

股上が深ければ比較的ゆったり目の作りになっており、股下が浅ければタイトめの作りになっていることが多いかと思われます。

また股上が深い場合スラックスをおへそより上で履くことが出来てしまうため、通常よりも股下寸法が長くなりがちです。

股下とは、スラックスの足部分を指します。

この寸法の長さにより、スラックスを履いた際の裾の長さに直結する寸法となります。

一般的な股下の長さは以下の通りです。

【長め】・・・靴を脱いだ際ときに、裾が床につく程の長さ

【標準】・・・靴を脱いだ際ときに、裾が床から2~3cm浮いている長さ

【短め】・・・くるぶし前後の長さ

股下と股上の測り方

股上と股下の寸法を計測するには、まず股下を採寸する必要があります。

図のように、

①股下を測る

股の十字部分からスラックスの股下までの長さをメジャー等で計測する

②総丈を測る

ウエスト部分からスラックスの裾口までの長さをメジャー等で計測する

③(総丈寸法値)ー(股下寸法値)=股上寸法値

となります。

スーツや礼服を新調する際、股下は今着ている物と同じ股下でいいの?

ここまでスラックスの股上と股下の関係を説明してきましたが、ここからが本コラムの本題となります。

百貨店で販売しているときに、

「今着ているスーツが股下75cmなので、このスーツも75cmの裾上げにしてください」

「(スーツの現物を持って来店)子供が来ているこのスーツと同じ股下にしてください」

と要望されるお客様がまれにいらっしゃいます。

股下は、どうしてもスラックスを履いてピンを打ってもらう必要がありますので、面倒ですよね。

わかるんですが、これは避けた方が良いです。

先程もご説明をしましたが、股下は股上によって寸法が変化します。

お持ちのスーツと全く同じ型紙であれば大丈夫ですが、そのようなスーツではない以上、面倒でも実際に履いてピンを打った方が確実です。

さらに厳密にいえば、同じ型紙でも、縫製工場や縫子(実際に縫製する人)さんは同じですか?生地は同じ生地ですか?

販売員さんやフィッティングアドバイザーが「同じ物なので大丈夫ですよ」と言えばそうかもしれませんが、

それがわからない以上、面倒でもスラックスを実際に履いてピンを打った方が、間違いなく確実な寸法を知ることが出来ます。

 

またスーツや礼服を2着以上購入する際も、

1着を試着して、2着目は同じ寸法でというわけにはいかないので、こちらも2本ともスラックスを履くことをおすすめします。

 

ちなみに、上述のお客様の問いに対しては、

「同じ股下寸法することは出来ますが、スラックスとして実際に同じ長さになるかわかりかねますが、よろしいでしょうか。」

と返答します。

理由はこれまで説明したきた内容となります。

試着をして股下寸法を決める際に注意する事

実際にスラックスを履いてピンを打つ際の注意点をまとめてみました。

普段スラックスを履く位置にウエスト部分を固定する(上げ過ぎず下げ過ぎず、普段スラックスを履いている時をイメージして、同じ位置にする)

可能であれば、ベルトを使用してウエストが動かないようにする

・針を使用してピン打ちをする店舗もあるので、外れないように気を付けてスラックスを脱ぐ

※現在ほぼ全ての百貨店や紳士服専門店では針の使用を禁じクリップを使用しています。

また、先程の例のように、本人ではなく代理としてスーツを購入する際は試着ができません。

この場合は、股下補正なしで購入、持ち帰って採寸したものを後日紳士服専門店や街のお直し業者へ持ち込むことが望ましいです。

※商品を購入したお店へ修理品を持ち込むことをおすすめします。

それ以外のお店へ持ち込むと、外部商品扱いとなり、修理費が割高になりがちです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

礼服やスーツを購入する際に必須となる股下について書かさせていただきました。

特にECサイトで購入する場合は、試着ができないため、裾上げはご自分で採寸してお直し業者へ持ち込む必要があります。

もしそのECサイトで裾上げもやっているようであれば、そこで補正することをおすすめします。

皆さまのお役に立てるような記事であれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。