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輸入生地を使用したスーツは着やすいの?

輸入生地を使用したスーツは着やすいの?

紳士服のお店で、「輸入生地を使用したスーツが3万円!」など告知していることを聞いたことがあるかもしれません。

輸入された生地を使用したスーツが3万って高いのか、安いのか、よくわかりませんよね。

今回のコラムは、輸入生地を使用したスーツの特徴や注意する事などをまとめていきたいと思います!

輸入生地とは

輸入生地は、「インポート生地」又は「舶来生地」とも呼ばれ、海外(主にイタリア、イギリスなど)で織られた生地のことを指します。

中国や東南アジアで織られた生地も輸入生地と呼ぶことが出来ますが、一般的にいう輸入生地にはこれらの地域は含まれていません。

簡単に特徴を以下のようにまとめました。

〈イギリス生地の特徴〉

寒い土地柄もあり、しっかりとした生地が多いです。

生地のハリやコシがしっかりしていて、型崩れもしにくい生地です。

また引っ掛けキズなども起こりにくい生地です。

〈イタリア生地の特徴〉

最大の特徴は光沢感と柔らかな素材感です。

発色性のある生地も多く、色柄も多種多様です。

しかし生地が薄いため、引っ掛けたりすると破れてしまう事もあります。

 

国産生地・輸入生地ともに、生地の良い悪いを判断する方法は様々ありますが、最も有名な判別方法は「Super〇〇〇’s」という表記でしょうか。

高級服地を使用している商品の左袖口にこのように記載されたタグ(織ネームと呼びます)を目にすることがあると思います。

〇〇〇に入る数字が大きければ大きいほど、高品質且つ柔らかい生地になるという意味合いです。

Super100’s~Super120’sほどが柔らかく着心地も良いのでビジネススーツ等にオススメですが、

それ以上の生地は素晴らしい光沢と着心地なのですが、価格も高額になり、破れなどが怖くて着用しづらいかもしれません。

有名な輸入生地【E.Zegna】

ハイクオリティ且つ日本の紳士服のお店で良く見ることが出来る輸入生地をご紹介します。

〈Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア)〉

百貨店の紳士売場や全国の紳士服売場、オーダー用の生地など幅広いお店で見ることができます。

販売価格は既製服で安くて12万円~13万円くらいからでしょうか。

イタリア産の生地ですが、光沢感や生地の柔らかさが抜群です。

余談ですが、このE.Zegnaですが、百貨店などには直営ショップが入っています。

私が百貨店で販売業務をしているときに、他ショップで「これゼニアのスーツで安いですよ」とアルバイトの方が接客していましたが、このセールストークは間違いです。

本国のゼニア関係者が聞ていたら訴えられる可能性もあります。

正しくは、「ゼニアの生地を国内のメーカーが仕入れ、それを縫製したスーツ」となります。

砕けた感じで言うと「これゼニアの生地を使ったスーツで安いですよ」と言ったところでしょうか。

よく「ゼニアってイタリアのブランドなのに既製服のスーツが日本人に合うの?」と聞かれることもありましたが、生地がゼニアで、縫製は日本のメーカーが行います。

よって日本人に合う型紙を使用しているため、既製服でも問題なく着ることができます。

この直営ショップと生地のみの違いは、わかりづらいので注意しましょう。

有名な輸入生地【REDA】

次にご紹介する輸入生地メーカーはREDA社です。

〈REDA(レダ)〉

こちらも全国の百貨店や紳士服専門店でよく見ることがあります。

また価格も手頃で、輸入生地の入門編的な立ち位置の生地となります。

値段高騰もあり直近1~2年ほど見なくなりましたが、それ以前は多種多様なREDA社の生地を使用したスーツやジャケットが紳士服のお店に並んでいました。

ゼニアと同じくイタリアの生地のため、きれいな光沢と生地の柔らかさが特徴です。

ひと昔前は、REDA社の生地を使用した既製スーツは3万円前後で購入が可能でしたが、現在は人件費高騰や為替の問題もあり、どんどん価格が上昇しています。

現在では安くて4万円代後半~5万円くらいからでしょうか。

国産生地【御幸】

輸入生地は高品質な物が確かに多いですが、国産生地も負けていません。

その代表的な生地を紹介します。

〈御幸毛織〉

礼服用の黒の生地も有名ですが、スーツ用やジャケット用、オーダー用の生地もあります。

ウール独特の肌触りの良さとコシがしっかりしている生地感が特徴です。

※スーツやジャケットの場合、織ネームのデザインが異なる場合があります。

これも余談ですが、

毎年1月と6月にイタリアのフィレンツェでPITTI UOMO(ピッティ ウォモ)という世界最大級のファッションイベントが行われています。

ここでは服から生地やファッション小物まで幅広い商品の展示会が行われており、翌年の世界的なトレンドを予想する上で重要なイベントとなっています。

その中で数年前から日本の高品質の素材や製品が注目されています。

輸入生地も素晴らしいものですが、日本製の製品も世界から評価されているというは嬉しいですよね。

輸入生地は着やすいの?

輸入生地と国産生地を簡単に紹介してきましたが、実際スーツとして着用すると着心地は違うのでしょうか。

答えはYesです。

実際に私が着用して感じましたが、かなり着心地が変わってきます。

特に肩回りと肘部分。このあたりの違いはハッキリと分かると思いますし、まずそもそもジャケットが軽く感じると思います。

また、輸入生地ではなくとも「Super100’s」程度の生地であれば着心地の違いがわかるかと思います。

輸入生地を使用したスーツは価格も高いですが、「Super100’s」の生地を使用したスーツであれば、輸入生地のスーツほど高額にはなりません。

スーツの購入を検討されているようであれば、検討の余地があるかと思いますので、検討してみてください。

ただし1点だけ注意事項があります。

極力付属品が少ないスーツを買いましょう。

スーツには芯地や肩パットといった付属品が使われています。

せっかく良い生地を使用したスーツなのに、ガチガチの肩パットが入ったスーツを稀に見かけます。

最近のスーツはほとんど薄肩パットを使用しているので、肩部分を触ればすぐにわかると思いますので、注意しましょう!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

輸入生地・国産生地に関わらず、良い生地を使用したスーツは、他の製品と着比べると明らかな違いがあります。

紳士服専門店や百貨店などに出向いて、その違いを直接感じることも良いことではないでしょうか。

また今回のコラムでは「E.zegna」と「REDA」の2つしか輸入生地を紹介できておりませんが、日本で流通している輸入生地は数百種類はあります。

これらの生地の違いを感じることも良いことだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。