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礼服やスーツの裾はシングル?ダブル?決まりはあるの?

礼服やスーツの裾はシングル?ダブル?決まりはあるの?

礼服やスーツを購入する際に、店員さんから「裾上げはシングルで良いですか?」と必ず聞かれると思います。

裾上げは”主に”シングルとダブルがあり、それぞれに特徴があることをご存じでしょうか?

今回のコラムは裾上げの種類について、書いていきたいと思います。

裾上げの種類

先程「”主に”シングルとダブルがある」と述べましたが、厳密に申しますと全部で以下の4種類の裾上げ方法がございます。

簡単な特徴を交えて説明いたします。

 

・シングル仕上げ・・・最も一般的な裾上げ方法で、約7割~8割の方がこのシングル仕上げのスーツ又は礼服を持っている

・ダブル仕上げ・・・裾口を折り返している裾上げ方法で、細身のスーツ等で短めの股下寸法で履くとカッコいい

・モーニングカット・・・その名の通り、正礼装のモーニングのスラックスはこの裾上げ方法で行われており、裾のかかと部分が若干長くカットされている

・タタキ(ジーンズカット)・・・チノパンなどカジュアルパンツによくある加工方法で、最も手早く安価に処理ができる

※一般的にスーツは「シングル」又は「ダブル」、どちらかお好みの加工方法で大丈夫ですが、礼服(喪服)は必ずシングル仕上げとなります。

 

シングル仕上げ

最も一般的なシングル仕上げについて説明します。

ストレートに裾がカットされており、スーツや礼服などの重衣料向けの裾上げ加工方法です。

重利用を購入されるほとんどの方がシングル仕上げの商品を着用されており、最も一般的な裾上げ方法と言えるでしょう。

注意点としては、裾上げ部分を裏返してみると、まつり縫いという縫い方で処理をしているのですが、何かのはずみで処理している糸が切れてしまうと糸がほどけてしまう恐れがあります。

ダブル仕上げ

10人いたら、1人か2人はダブル仕上げの方がいらっしゃるかもしれません。

ダブル仕上げは裾口を少し折り曲げる裾上げ加工方法です。

スーツや単品のスラックスに使用出来る裾上げ加工方法で、礼服やモーニングには使用できません。

折り返しにより裾口部分に重みが生じ、スラックスを下に引っ張ってくれるので、スラックスのセンタープリーツが際立ってみえます。

折り返しの幅(=かぶら幅)ですが、一般的には「3.5cm~4.0cm」が基準となり、お好みの幅にすることが出来ます。

しかし迷われた場合は、身長によって判断されることが望ましいです。

低身長であれば3cmや3.5cm、高身長であれば4cmや4.5cmの幅が最適かと思われます。

というのも、背の低い方が幅4.5cmのスラックスを履いてしまうと、どうしても足が短く見えてしまいがちです。

 

また、折り返し部分は「糸で留める」又は「スナップボタンで留める」の2種類があります。

ダブル仕上げにしてしまうと、どうしても折り返し部分に埃やゴミが溜まってしまいますが、スナップボタン留めであれば、都度ごみを取り除くことができます。

スーツを購入の際、「ダブル仕上げでお願いします」と店員さんに伝えると、糸留めになってしまうので、ボタン留め希望の場合は「ダブル仕上げのボタン留めでお願いします」と言うようにしましょう。

モーニングカット

礼服の正礼装であるモーニングのスラックスに使われる裾上げ加工方法です。

画像のように、足の甲の部分よりかかと部分が若干長くしている加工方法です。

股下を長くしても足の甲部分で裾が弛んでしまい不格好に見られがちですが、この加工方法であれば、股下を少しだけ短くしてもかかと部分はしっかりと靴に乗るので、センタープリーツをきれいに見せることができます。

稀に礼服やスーツで「好きだから」という理由でモーニングカットにされる方もいらっしゃいます。

もちろんこれは個人の好みの問題であるためNGではありません。

 

 

タタキ(ジーンズカット)

綿パンなどのカジュアルパンツに用いられる加工方法です。

最も短時間に低価格ででき、そこまで技術力を必要としません。

最近ではトレンド的な立ち位置で良く売れているビジカジスーツ(ストレスフリースーツ)は、シングル仕上げでもいいですが、敢えてよりカジュアル感を出すために、この加工方法が使われることもあります。

同様にクールビズやウォームビズ用のスラックスなども、ドレスダウン的な意味を込めて、この加工方法が使われることもあります。

マメ知識~泥よけ~

ここでちょっと余談を・・・。

「シングル仕上げ」「ダブル仕上げ」「モーニングカット仕上げ」には、裾の裏側かかと部分に必ず生地が付いています。

これは靴のかかと部分からスラックスを守るために付いているものとなります。

スーツや礼服はスラックスから傷んできてしまうことが多いので、靴に当たる生地部分を保護する役目をもっています。

恐らく、たたき加工方法以外、全ての裾上げ商品に付いていると思われますので、ご自分のスラックスも確認してみるのもいいでしょう。

またこの泥よけは後付け可能のため、ボロボロになれば取り換えることもできます。

表側には見えないように付いているため、取り換える場合はどのような生地でも問題ありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

スラックスの裾上げといっても、4種類の方法があり、それぞれに用途が異なります。

個人的には、似合う似合わないは別として、ダブル仕上げで幅5.0cmというのも嫌いではありません。

せっかく購入したスーツや礼服は、最も好きなスタイルでオシャレを楽しみたいですよね。

そんな時にふとこのコラムを思い出してくれる方がいらっしゃれば、大変うれしく思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。