ディレクターズスーツという衣装があることを皆さんご存じでしょうか?
主に結婚式で使用される衣装で、弔事でも使用することもあります。
ですが、近年めっきり姿を見なくなった装いの1つでもあります。
ディレクターズスーツは、お持ちの略礼服でも2つのアイテムを使用することで、ワンランク上の装いにすることができます!
今回のコラムではディレクーズスーツについて書いていきたいと思います。
弊社は昭和21年に創業し、テキスタイルメーカーとしてその歴史をスタートいたしました。多様化にお答えしてきた結果フォーマルウエアからスーツ、カジュアルウエアなどメンズファッション業界の変化に適応し貢献してきました。
ディレクターズスーツとは
ディレクターズスーツとは、昼の準礼装となります。
つまり正礼装のモーニングの一つ格下となり、略礼服やブラックスーツの1つ格上になる装いです。
装いとしては、黒のジャケットにグレーのベスト、コールパンツ(縞柄のスラックス)となり、シャツはウィングカラー又はレギュラーカラーシャツ、ネクタイはシルバー地に黒のレジメンタル、又は黒地に白のレジメンタルを使用します。
(※ジャケットの襟型はピークドラペル、ノッチドラペル、どちらでも大丈夫です)
結婚式の例で言いますと、
お父さんはモーニングを着用しますが、ご兄弟など、身内でも近い関係や立場の方、もしくは職場の上司などがディレクターズスーツを着る立場となります。
略礼服やブラックスーツでも問題がないのですが、立場的な衣装で言えばディレクターズスーツが正解となります。
ただし着ることが正解だとしても、冒頭にも触れています通り、近年着る方がかなり減っています。
それは近年の結婚式はカジュアルな物が増えていることと、両家での衣装合わせが手間になるからかと推測できます。
ご兄弟などがディレクターズスーツを着る場合は、相手の兄弟にも着ていただく必要がありますので、ご両家でしっかり話し合うことが大切です。
実は簡単!お持ちの略礼服をワンランク上の装いへ
紳士服専門店ではディレクターズスーツとして買う事は出来ます。
しかし実は略礼服を持っている場合、2つのアイテムを用意するだけで簡単にディレクターズスーツとして着用することができます。
用意するアイテムは、以下の通りとなります。
①シルバーグレーベスト・・・色はライトグレーやシルバーグレーであれば問題ありません。様々な衣装に使用できますので、この機会に購入を検討してみるのも良いでしょう。
②コールパンツ・・・モーニングに使用するスラックスのことですが、これは単品でも購入することが可能です。
この2つを用意したら、あとはお持ちの略礼服のジャケットを着ることによってディレクターズスーツの完成です!
あとはネクタイやチーフなどの小物を用意すれば問題ありません。
※略礼服のジャケットは、ダブルの4つボタンでもルール上は使用できますが、シングルの2つボタンやシングル1つボタンの方が圧倒的に多いです。
※ジャケットのポケットのフラップは、ポケットの中にしまっておきましょう。
※本来のディレクターズスーツは、タキシードのようにノーベントスタイル(ジャケット背中の裾が切れていない)ですが、センターベント(ジャケット背中の裾が真ん中で切れている)の略礼服を使用しても問題ございません。
また襟もノッチドラペル(一般的なスーツやシングル礼服の襟)・ピークドラペル(ダブル礼服のように先の尖った襟)どちらでも問題ございません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディレクターズスーツ、午後の準礼装、と言葉だけを聞くと難しそうですが、そうでもありません。
お持ちの略礼服の着回し術として覚えておいていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。